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神無の覚書神無の覚書
日々の感想、取り留めの無いこと、 小話などを書こうと思います
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とりあえず、ちょこちょこっと乗せておく。
彼女についての話をどれだけかけたかといえば、ほぼ無きに等しい。
でも、これが彼女を理解する助けになれば幸いである。


そして


彼女についてはまたいつか語るだろう。

天象六法を納め、とある結社で7=4 つまり Adeptus Exemptusこと被免達人に選ばれた彼女の本当の姿については、今すぐ語ることは出来ない。
でも、いつの日か……



――――――――――――――――――

Eps.fi001:偽島到着

『本船は、まもなく目的地に到着いたします。お降りの方はお忘れ物の無いようご注意ください。』

やる気のない船内放送が3等船室の狭い部屋に響き渡る。
俄かにざわめき始める船内。
そんな中で、私はバーボンの入ったスキットルボトルに口をつけ、少ない残りを一気飲みすると、再び狭いベットに横になった。
と言うか、3等船室だけあって、ベットと廊下しかない。

「しかし、この浮かれ具合……祭りでも始まるみたいじゃないの。」

一人呟く。
だが、それは当然だ。
白い帆船を源流に汲む豪華客船が目指すは幻の島。
もっとも有名な沈没船の名を持つこの船の乗客は、古今東西……いや、もはや私ですら直接見たことのない世界の人々。
そして、そんな人々が挙って向かうは伝説のお宝の島だ。
あらゆる人々、文化圏で伝説に上る島の具現と言えそうなその島に、人々は様々な財宝を夢見て向かう。
ただ、新大陸を目指す清教徒やゴールドラッシュに踊る人々と違ったのは、その多くは冒険をするついでにお宝を入手する気であることであろう。
もしかしたら、もっとも重要なお宝は冒険と言う名の浪漫なのかもしれないな。

ふっ、と笑みが零れる。

手元を見ると、一通の招待券。
きっと、宛名の異なる無銘の招待券。
私は、彼女の事、オリジナルの彼女に思いを馳せる。
御園神無。
島を訪れ、宝玉に触れた彼女のことを。
きっと彼女の座を使い、この世界に創られた私へのあてつけか。
些細な悪意と、享楽的な意図を招待券に感じる。
だが、まあ彼女からの挑戦状であれば、受けなければならない。
だから、私は少ない給料をやりくりしてこの船に乗ったのだ。

かすかに船が減速したのが感じられる。
私は荷物を纏めると、一足先に甲板へと向かった。



タバコをふかしながら、港に着いた船の甲板に出た。

「面倒臭いが……ここからサボるわけには行かないんだろうねぇ。」

安い運賃で潜り込んだだけあって、体中がギシギシと鳴っていた。
適当に買ったバーボンももう尽きた。
この島に下りたら、食料も何も自力で調達しなければならないらしいが、正直面倒なことこの上ない。
甲板から見下ろすと、青々と木々の茂った島が広がっている。
周囲は海で島は見えず……。

「まったく。神無もとんでもないところに来てくれたもんだ。」

溜息をつきつつ、タバコを空中に投げる。
吸殻は白光を上げて消滅した。
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